去る4月16日~19日、臨床中医推拿塾塾生とともに中国での推拿研修旅行に行ってきました。その様子をレポートします!
医師が行う、「治療としての推拿」を体感!
今回の研修旅行の目的は二つ。一つは天津市で行われる中華中医薬学会主催の「脊診整脊推拿学会」に参加すること、もう一つは病院の推拿科での治療を見学することです。
学会は二百名以上の推拿医師が中国全土から集まり、優秀な推拿医師の表彰とさまざまな研究発表が行われました。
中国で有名な名医の方々と並び、わが東京中医学研究所・孫維良所長も「優秀正骨医師」と表彰され、記念のたてと証書をいただきました。
会場となった天津北辰北門医院は、頚椎の正骨法の研究で先端をいく病院です。学会の発表も王遵来副院長の提唱する「三小定点整脊調頚法」という最新の手法についてでした。
その発表後、院内の推拿科を見学したところ、発表された最新の手法を多くの推拿医師が会得して治療に用いていました。きっと手法の勉強会なども頻繁に行っているのでしょう。少しでも効果の高い手法を患者さんに施したいという医者としての真摯な志が伝わってきました。
中国の病院では内科や脳外科、小児科などと同じように推拿科が設けられています。推拿医師は鍼や注射も打つことができるので、患者さんの状態に最も効果のある治療を総合的に行うことができます。
私たちの見学時、ひじ痛がなかなか良くならない患者さんがいましたが、推拿、鍼、吸玉、漢方薬入りの注射を、患者さんの状態を確認しながら一人の医師が行っていました。
↑鍼灸推拿科だけでも10数室の治療部屋があり、各部屋にベッドが4~5台ある
↑吸玉を施す推拿医師。すでに推拿、鍼は施術済み
また、孫所長が以前勤務していた天津中医薬大学第一附属医院推拿科には50人もの推拿医師がおり、150床の入 院病棟もあります。整形外科系の疾病以外にも脳梗塞などで片麻痺のある人や腸の癒着がある人などが入院し、毎日、推拿に加えさまざまな治療を総合的に受け られる体制が整っていました。
↑天津中医薬大学第一附属医院
↑天津中医薬大学第一附属医院の外来棟
↑推拿科入院患者はリハビリの時間になると集まって一緒にリハビリ運動をする
王金貴推拿科主任をリーダーに、常に患者さんに効果のある治療を研究し実践する推拿科チームの意欲と、そういう先生にすべてを預けている患者さん。その信頼関係を肌で感じました。
意識が高く、熱意のある推拿医師の方々にお会いでき、推拿療法の可能性の高さを確信した今回の研修でした。